情景パーツである「車両車庫」と「車両基地」この2つが作られているサイズは、
実は既に絶版になった現在とは異なる寸法系で作られている可能性が高いのです。
これは勝手な推測ではありますが、
少なくとも「そう設計しなければ、こうはならない」という、
面白い繋がり方が「車両基地」のダブルターンアウトレールでは見て取れます。
目次
ダブルターンアウトレールの間隔は95mm
ダブルターンアウトレールと言っているのは、
車両基地のポイントレール部分で、
1枚のレールプレートに2つのポイントがついて、2分岐しています。
手前のプレートがそれです。
このパーツの特殊性でもあるのが分岐後のレール間隔が95mmである点で、
プラレールのレールグリット216mmには全く無関係な寸法で
レールが延びていくのです。
この点については以下でご紹介しました。
上の写真でも見えていますが、95mmという寸法は、
「Y型ポイントレール(絶版)」のレール分岐幅とほぼ同じです。
しかし、2019年現在で入手可能なレールで測定したところ、
92mmや、94mmといったレール分岐幅になっています。
それを、今回95mmとして当初設計したのであろうという推測を行って、
95mmとしました。
その理由についてご紹介します。
「車両基地」寸法から絶版の「Y型ポイント」と「大曲線」の寸法を95mmとした理由
起点はこの「車両基地」ですが、
「Y型ポイント」と「大曲線」レールの実測値は、
95mmに近いものの厳密には、95mmではありませんでした。
しかし、この95mmが設計目標だっただろうと結論付けるだけの、
情報がある程度揃いました。
まず「車両基地」の分岐幅間隔は、四角形ですので、
物差しを当てるだけで、普通に測る事ができ、それは95mmです。
ではこれがどのように「Y型ポイント」と「大曲線」レールに関連していくのか、
ですが、それはまず「車両基地」の設計美から読み取れます。
車両基地はこのような設計になっているのです。
上の図は、車両基地+曲線レール1本。
下の図は、大曲線レール2本です。
車両基地と大曲線レールの関係
この大曲線レールと車両基地の関係は、このように円が接する関係になっているのです。
この条件を満たすような「大曲線レール」の「曲線レール」との半径の差は、
9.5cm(95mm)です。
これで、大曲線レールの半径は「曲線レール半径+95mm」である事になります。
公式の216グリットでは、311mmという事になります。
大曲線レールとY型ポイントの関係
では次に「Y型ポイント(廃版)」との関係を見ていきます。
時は、1964年にさかのぼります。
プラレールが電動(電池式)に進化して「電動プラレール」と呼ばれていた頃に、
売られていたプラレールセットがヒントになります。
トミー「電動プラレールデラックスセット(1964年)」は、
今から、60 年前 に発売されたプラレール豪華セットです。
この「デラックスセット(1964年)」の箱には、
サンプルレイアウトが紹介されています。
その中に今回の「大曲線レール」と「Y字ポイントレール(廃版)」を
利用したレイアウトが紹介されています。
まさに、これが「大曲線レール」と「Y型ポイントレール」の公式な使用目的といえるでしょう。
そして、これが成立するためには・・・
この条件を満たすような「大曲線レール」の「曲線レール」との半径の差が、
「Y型ポイントレール」の分岐間隔ということになります。
これは、大曲線レールの半径を求めた時の、95mmであると言う事になります。
現存するレールを実測すると、95mmになってない事が多い
「大曲線レール」と「Y字ポイントレール」ですが、
過去のレイアウトを遡りながら、
現行でタカラトミーが販売している「車両基地」で採用している95mmは、
タカラトミーが、大曲線とY型ポイントレールの分岐(半径差)は、
95mmだと言っているに等しい事になるのです。
あくまでも設計寸法という概念上の数値であると言う事になりますが。
この95mmは現在のプラレールにも影響を与え、
色々な所に出てきます。