「ターンアウトレール(R-11)」はベーシックセットにも含まれる基本的パーツです。
気軽に直線ルートから分岐させて、レイアウトの幅を広げてくれます。
ターンアウトレールを使った分岐側の戻し例についてご紹介します。
ただターンアウトの分岐は基本パーツでありながら癖が強く、
ぐるっと回して戻した時に合わなかったり、
レールの複線化に利用すると途端に接続に苦労するパーツでもあります。
目次
プラレールレイアウトの基本的な考え方
ターンアウトを利用して作る事ができるパターンとしては、
分岐をそのままぐるっと回る形で別ルートを作るか、
分岐の方向をS状に切り替えて複線化するのどちらかではないでしょうか。
どちらもちょっとコツが必要な取り回しになりますので、
少し意識しながらレールを組み立てていくといいでしょう。
その後、曲線レール2本で作るS字カーブ(ターンアウトも同じ)の
寸法調整のパターンを以下でご紹介しています。
それぞれ実際のレイアウトを例にご紹介していますので、
併せてお読みいただけますと理解しやすくなります。
プラレールの基本的寸法のおさらい
と、その前に既にご存知の方もおられる事と思いますが、
プラレールのレールは直線レール1本(216mm)に基づいています。
※弊サイトでは214mmになっています。
ちょっとだけ我慢してお付き合いください。
ターンアウト分岐はターンした方向を曲線レールで、
元の直線と平行にすることができます。
複線レールのようにする場合に結構やるつなぎ方です。
この場合、ターンアウトから横にズレたレール間隔が、
他のレール部品では調整できない幅になってしまいます。
以下、図の「6.27cm」x2 = 「12.54 cm」としている部分がそれです。
寸法の数字はどうでもいいです。(気にしなくていい)
どことどこが同じ間隔なのかを見てもらればいいのですが、
普通に曲線レールで90度曲げた場合にも、同じ値が出てきているのが分かります。
※ターンアウトが円弧の一部なので当然です。
次が、基本寸法である曲線レールと直線レールの関係です。
直線レール1本の長さが、曲線レールの半径になっています。
すべてはこれが基本の考え方になっています。
ここがプラレールの美しさだろうなと思います。
さて、こういう関係からSでレイアウトをずらした時の
つなぎ目の位置は、上下から90度曲げた時の途中の接続位置に一致してきます。
もうちょっと待ってください。
ちなみに、ターンアウトレールを縦に使えば、
中途半端なズレが発生しないので、取り回しは綺麗になります。(余談)
基本的な寸法に関してはこのようになっています。
S形状をループに入れる簡単な例
S形状をループ内に入れる場合、
セオリーは「対辺にもS形状をもう一つ入れる」です。
プラレールは、どんな長いレイアウトでも、
横方向の移動距離と、縦方向の移動距離を同じにすればつながります。
これは斜めがあっても同じです。
ですので、全体のループの中で部分的に寸法をみていくと、
同じ寸法が上側と下側、右側と左側でセットになっています。(ずれることもある)
そして中途半端になってしまうS形状を2つ入れることで、
そのズレを吸収することができます。
こうした方法は、公式のレイアウトプランでもよく出てきます。
1つレイアウトが決まったら、上の図の「★」印のような、
対辺に同じ長さのレールがある部分は、無くすことができます。
さらに無くてもいいレールを取ると、
最小のレイアウトは、単なるヒョウタンだったことが分かります。
複雑なレイアウトもそぎ落とせば何らかのシンプルプランに戻ります。
シンプルプランから足し算でレイアウトを拡張すると、
「簡単に綺麗につながるレイアウトが作れる」という事でもあります。
次からやっと本題です。
「ターンアウト」を使った複線化と分岐側自己結合例
これまでの寸法のパターンから、
実はこのような直線レールの差で、S形状のズレを表現できます。
先ほどの上からと下から90度カーブで曲げた接続位置と、
斜め直線レールの位置からも、この法則が実は既に見えていました。
そもそも・・・
「S形状だからといって、普通につなげて遊んでいるけど?」
と、いう方も多いことと思います。
Sを含ませて、普通にレールをつなげていくとこんな感じになるはずです。
図面で書いてみると、ズレているのが分かります。
※計算上は、1.84 cm なので 2cm 弱ズレています。
そう、誰しもプラレールで必ず体験する
「なんかズレてる???」というあの感触は、こうして生まれます。
この位なら、あっさりつながって楽しめる点がプラレールの凄さ!
そして、オモチャとしての楽しさなのだと思います。
ズレていていいんです!
こうしたズレを発生させないことにこだわって、
レールのつなぎを考えていくとき、
先ほどの「直線2本」と「直線斜め2本」の関係が使えます。
左はちょっと短い(斜め2本)、右はちょっと長い(縦直線2本)です。
ぐるっと回すには他にも長さを合わせるレールが必要です。
こんな感じに必要になってくるかな?と予想します。
当然、直角にはつながりませんので、
角、角には曲げたい角度分の曲線レールが必要になってきます。
実際につなげてみます。。。
予想に反して、なんだか足りない部分ができています。ん???
よく見ると、反対側に同じ長さがあって、
無くせばつながりそうな感じがしてきます。
2本無くしたら綺麗につながりました。
このレイアウトのポイントが実は、斜め2本と縦2本なのです。
地味な存在なんですけどね。
先ほどと同じように、横方向に伸びていたいらないレールを取り除くと、
このようなコンパクトなレイアウトになります。
これが元の形です。
※★印入れ忘れました。重要な4本直線以外をすべて取り除いた結果です。
これまではS形状をループ内に入れているだけでしたので、
実際に「ターンアウト」レールに置き換えてレイアウトします。
「ターンアウト」で実際のレイアウトに当てはめる
思いつくままに内側にループを入れて、
戻ってくるループにすると、こんな感じになります。
しかし、コレ。
走らせてみると、反時計回りで走らせた電車が、
内側のループを通って出てくると、時計回りになって・・・
永久に外側だけを回り続けることになってしまいます。つまらない・・・。
というわけでちょっと組み替えて、
回る方向に戻すようにレイアウトをします。
どちら周りでも内外を切り替えて走らせることができます。
とても簡単なレイアウトですが、こんな感じになります。
こういうレイアウトに直線レールを間に入れていき、
横長の大きなレイアウトにしつつ、高架で立体交差させて戻ってくるなど、
より動きのある面白いレイアウトに改造していくのが、
プラレールの楽しさではないでしょうか。
基本となる部分を抑えておき、
そこから大きく拡張していくと、後からつながらないミスはなくなります。
これがポイントです。^^
斜め45度直線で調整ならどこに入れてもいいの?
余談ですが、斜め45度の入れる位置を変えた場合に、
なんとなく、直線を入れてつなげていくと、あっさりとつながらなくなります。
※これでも縦方向の長さ(位置)は合っています。横方向のみ合っていません。
恐ろしきプラレールの世界。
まぁ、これもゴリッとつながると思いますけども^^
これも、横と縦の長さを合せるように調整すると、
結局、こんなに大きなレイアウトになってしまったりもします。
簡単なようで、奥が深いので面白いものですね。
ちなみにガッツリとCADで寸法を見ながら設計していますが、
プラレールの楽しみは「合っていないけどつながる!」だと思います。
設計せずガンガンつなげて楽しむのがプラレールです。
ただ、どうしても寸法が合わない時、
「どこがダメなんだろう・・・?」と考える上で、
「Sのズレを調整できていないからか!」とか、
知っていれば、何かしら気づくポイントになりますのでご紹介しました。
困った時にお役にたつかもしれません。
以下もよろしくお願いします。
レイアウトを実際に作ってみたよ!というご報告を頂けると、とても嬉しいです。
お写真を添えて、是非共有ください。