これはほとんどどうでもいい内容ですが、アーカイブの意味で残します。
プラレールの「車両基地」から分岐するレールの間隔が、
プラレールのグリット216mmから生まれる寸法系とは、
全く異なるレール間隔になっているのです。
その間隔は、95mm。
その95mmの真意を突き止めるべくモデリング・モデリングの長い旅が始まりました。
目次
「車両基地」から分岐するレール間隔95mmの謎
車両基地を3Dモデリングしていて
いろいろ採寸をしていると、
測りにくいわけでもなく、きりが悪くもない長さで95mmという寸法がありました。
まず、車両基地。
現行品ですので普通に一般店舗でもAmazonでも買うことができます。
「車両基地」の正方形の切り欠きの部分で、
ここに車両基地専用のストップレールが接続されます。
カクカクとクランクしている部分が95mm正方形です。
さて、この「車両基地」は設計意図が見えにくい、
変態レールになっております。(褒めてます)
2本のターンアウトがつながった形をしていますが、
ターンアウト2本目の分岐の位置が、実に中途半端な位置なのです。
この位置に無理に接続の長さを合わせようとすると、
廃盤品の「大曲線レール」が近い位置に来そうだなぁという感じでした。
この辺から「大曲線レール」との関係を疑い始めます(笑)
また、先程の95mm正方形の影響で、
専用のストップレール(直線も同じ)を接続した先も、
同様に95mmのズレが段々に現れてくることになります。
当然、この95mmを綺麗に収める現行レールはありません。
通常、レールを並行する複線にする場合、
プラレールでは「Y字ポイント(現行)」の1/2直線間隔を採用するか、
「単線複線ポイント」の60mm間隔を採用するかのどちらかが考えられます。
ですが、当然、95mm正方形ですのでどちらとも合いません。
Yの字ポイント
単線複線ポイント
そんなとき、天から神の声が届きます。
プラレール師匠 ぺたぞうさん(ぺたぞう @pettanesa)からTwitterでご意見を頂戴しました。
「車両基地」の幅と「車庫」の幅が同じ95mmが大きな決め手に
ぺたぞうさんは私のおかしな仮説(見当違い)に反応をくださったのですが、
その際に「車両車庫」と「車両基地のレール幅」が同じであることを教えてくださいました。
ダブル分岐ですが、その先に付く車両基地レールが2列キレイに並ぶ幅になっている
三角形説超面白いです。ダブル分岐ですが、その先に付く車両基地レールが2列キレイに並ぶ幅になっているので、車両基地レール幅が根拠のダブル位置だと思いますが、じゃあ車両基地レールが先なのかダブルに合わせて車両基地レールの幅が決まった、という問題になってきますよね。
— ぺたぞう (@pettanesa) 2019年1月11日
次に以下で「建物的なもの」と表現されているのが「車庫」ですが、
車両基地セットが発売される以前に、この車庫が既に存在していたということです。
写真に、建物的なものが写っていたと思います。あれは車両基地セットが出るかなり前に売られたもので、車両基地レールと同じ幅なわけです。そうすると、車両基地レールの幅のほうが先にあった
ところが、僕が使っているところの写真に、建物的なものが写っていたと思います。あれは車両基地セットが出るかなり前に売られたもので、車両基地レールと同じ幅なわけです。そうすると、車両基地レールの幅のほうが先にあったことになります。
— ぺたぞう (@pettanesa) 2019年1月11日
ここで言う写真とは以下ぺたぞうさんがシェアされた画像で、
車両基地から分岐して、白い建物が覆いかぶさっているそれです。
やってますよ。車両基地は僕がよく使いますし、操車場はチャンさんの得意技です。 pic.twitter.com/AOWesg0MHs
— ぺたぞう (@pettanesa) 2019年1月8日
基地レール専用のストップレールの幅=車庫(ぺたぞうさんの写真の白い建物:https://t.co/8SROSuSWZn)に合せたのかもしれないという説を頂きました。
— あい(プラレータ) (@ai_prarator) 2019年1月12日
かなり有力すぎて、車庫の方が販売時期が先という。この白い車庫が綺麗に収められる幅が95mmだったという事か(!?) それにつられて分岐間隔がぁっ! https://t.co/rz1hKU5MO7
そして「ダブル分岐の幅の根拠」が何なのか?という話が、
「車庫建物の幅の根拠」へと移っていきます。
ダブル分岐の幅の根拠→車両基地レールの幅であり、次に車両基地レールの幅の根拠=車庫建物の幅の根拠、は?という話
となると、ダブル分岐の幅の根拠→車両基地レールの幅であり、次に車両基地レールの幅の根拠=車庫建物の幅の根拠、は?という話になるわけです。この幅、通常横に広いタイプの地下レールとかクリアドームの、「2分の1レール幅」とは違う幅です。この根拠はなんなのか。ポイントはそこにありそうです
— ぺたぞう (@pettanesa) 2019年1月11日
「車庫建物」を活かすために「車両基地」が設計されていると仮定すれば、
なぜ「車庫建物」が95mm幅だったのかを突き止めれば、
そこに答えがあるだろうと教えてくれました。
活かしたかったとすれば、まずこの車庫の幅が何故これになったのか
活かしたかったとすれば、まずこの車庫の幅が何故これになったのか、が我々の求める答えになりますね。
— ぺたぞう (@pettanesa) 2019年1月12日
そんな話をしているとき、ふと以前どこかでこの95mmに近い寸法に
触れた記憶があるよなぁと浮かんできます。
何かきっかけかわからないので不思議なものです。
そもそも分岐の幅がなぜ廃盤品に合わせてあるのか?
記憶を辿ると、この95mmに合う分岐レールが過去に存在していました。
「Y字ポイント(廃盤品)」です。
以下、実測によれば分岐間隔は92mm(私物)
または94mm(フォロアーさん)という感じです。
ただ、このレールは歪みが酷く、既にかなり製造から時間が経っているので、
実測が設計寸法を表している保証はありません。
しかし、限りなく95mmに近いわけです。
実際、並べてみるといい感じです。(写真のの実測値は92mmのもの)
ただ、この分岐間隔を92mmでなじませ接続するにしろ、
ピッタリ95mmであるにせよ、結局はつながらないのです。
長さが合うレールがないのですから。
廃盤ジョイントレールを入れて無理やりつなぐ。そんな感じです。
そもそも複線60mmを採用すれば楽なはずなのに、95mmを選んでいる現実
95mmのヒントを頂いて可能性はあるよなぁと思いながら、
「車両基地」のレールを眺めていて、ふと気づきます。
なんで、60mmで設計しなかったの??
そうなんです。
「車両基地」のダブルターンアウトレールを見てみましょう。
まず、直線部分の長さは「1+1/4直線」で作られています。
直線1本には収まらなかったけど「1+1/2にするのは避けたい」という、
苦悩の意図が透けて見えるギリギリ設計です。
何がギリギリかって、この角がもう。
これでもかってほどの限界設計で作られているんですね。
でも、これわざわざ、95mmにするからこうなるわけで、
普通に現行である寸法の60mmにすればいいじゃない。そう思います。
だって、35mmも余裕が生まれるんですよ。
まぁカーブの出の部分の干渉とかいろいろ考慮は必要でしょうけど、
少なくとももっと短くは作れる。
途中のカーブを楕円などにすれば、
最終的に60mmになっていればレール的にはOKなんですから。。。
それは選ばずに、ギリギリ設計を選択して95mmにしている。
絶対に「95mm」を採用する為にこだわった?
これしかありません。
さらには、タカラトミーとして既に絶版になっている分岐の幅を採用したのか?
既存情景の「車両車庫」を活かしたい?
でしょうねぇ。
いろんなセットに含まれていて、
工場のような様相で、誰が見ても車庫。
車両基地なのに車庫に対応しないわけにいかないですもんね。
60mm幅では基地としてプラキッズを置いたりして遊ぶ場所も、
基地としての雰囲気も出しにくいですしね。
ちなみに60mm(現行複線)の車庫と、95mm(廃版複線)の車庫を並べてみると、
このようなサイズ違いになります。
「車両基地感」の演出できる余裕(ストップレールでデザインに使える幅)の違いは、
明白だと言えます。
なにせ、現在の複線レール幅6cm(60mm)では、
ガーター橋を2つ並べる事さえできないのですから、
「車両基地」としてのデザインを表現するのは無理があるのではないでしょうか。
※2本セットで合体した「ダブルストップレール」にすると言うアイディアもアリだと思いますが。
本当の理由は、タカラトミーの設計の方にしか分かりませんが、
実はこれすごく綺麗な設計で採用された寸法なのです。(と思う)
95mmを採用するに当たって、
現在のプラレールグリットレイアウトに綺麗に合わせる方法を残しつつ、
旧複線レール間隔を採用すると言う、素晴らしい設計なのです。