Y字ポイントレールは2019年現在は分岐の幅が1/2直線幅で分かれるタイプが現行です。
しかし廃版のレールでY字ポイント形状に似たレールがあり、
そのレールの分岐幅は現在のプラレールグリット(216mm)の
どの寸法からも得られない特殊な寸法をしています。
ここでは「Y型ポイントレール(廃版品)」の実測値を参考に割り出した想定寸法をご紹介します。
「Y型レール」又は「Y型ポイントレール」との呼称で呼ばれていたようです。
なお、この投稿はTwitterの引用が多い記事になります。
後から検索することが面倒なTwitterから有益な情報をアーカイブする目的もあります。
最終的に弊サイトでは、分岐の幅を実測平均+3の「95mm」を採用しています。
目次
「Y型レール(廃版品)」の寸法例
私が持っているY字ポイントレールは6本あり、
2本のみ梱包が解かれて直に採寸できるものがあります。
他4本は透明の袋越しに採寸を行っていますので、多少はズレがあるはずです。
中には全く同じレール(合流側がメス接続)が2本と、
ジョイントレール(通称:1/6レール)の凸凸、凹凹が1本ずつ入っています。
「Y型レール(絶版)」6本を測った各寸法
では、実際に測った参考寸法をご紹介します。
\ | 長さ(全体) | 分岐幅(間隔) |
1 | 212 | 90.5 |
2 | 211.5 | 91 |
3 | 211.5 | 91 |
4 | 212.5 | 91.5 |
5 | 212 | 91 |
6 | 212 | 91.5 |
平均 | 211.9 | 91.1 |
※この値はあくまでも参考です。以下をご一読ください。
歪みの激しい「Y型レール(絶版)」レール
この「Y型レール(廃版品)」を知ったきっかけは、
Twitterでお付き合いさせて頂いているフォロアーさんの投稿からでした。
@ai_prarator 大曲線レールですが、規格上はY字レールに曲線を繋げた状態で再び単線に戻す時に使うレールだったようです。他の用途は不明です。 pic.twitter.com/Rhz1klvgvN
— なゆほ (@Nayuho6866) 2018年11月22日
これによれば「Y型レール(廃版品)」と
同廃版品の「大曲線レール」をつなぐことで、
90度カーブの複線レイアウトが作れるという事です。
これが本当の目的かはタカラトミーさんに確認するしか術がありませんが、
綺麗に複線状態で90度の円弧を描いています。
私も入手した、Y型+大曲線で同様の形を作ってみました。
ですが、私のレールではあまり綺麗な円弧にはなりませんでした。
これが正しいことは「旧トミー社」の公式レイアウトに出てきます。
あくまでも私のレールは「なゆほさん」のレールよりも、
2mm間隔が狭い状態に劣化したと思われるレールです。
大曲線とY型の接続部分は若干、曲げて入れる感覚が手に伝わってきました。
少しですが隙間ができる寸法誤差が出ています。
また周回ルートを作ろうとすると、
廃盤のジョイントレール(Y型付属品)とは別に
「オスオスピンタイプのジョイント」が必要になります。
「オスオスピンタイプのジョイント」の例
反対側にも同様のカーブを入れなければ、寸法は合いません。無理やりつなげていることになります。
公式レイアウトでも「Y型レール」で周回する場合、
セットで2つ使うように設計しています。(それでもオスメスは合わなくなります)
この時は「なゆほさん」に「Y型ポイントレール(廃版品)」の
寸法の測定をお願いしていました。
108mm(測定したら107mmでしたが誤差でしょう)の1/2とY字を並べたものです。正確な数字かは判断しかねますがY字複線間隔は94mmでした。 pic.twitter.com/wXKtYQTaau
— なゆほ (@Nayuho6866) 2018年11月22日
なゆほさん測定によれば、分岐幅が94mm だったとの回答でした。
弊サイト平均値の92mmより、約2mm大きかったのです。
※ご本人も仰ってますが、正確性は担保できません。>正確な数字かは判断しかねます
この時は、大曲線レールが手元に無かったので、
Y型ポイントと接続していた分岐間隔から、
大曲線レールの半径を知ろうとした試みをするためにお願いをしました。
お呼びしてすみません
— あい(プラレータ) (@ai_prarator) 2018年11月22日
お手隙の時にでも絶版Yの字ポイントのレール間隔が108mmなのか測って頂くことはできませんでしょうか。
計算上は外側曲線と大曲線の間が1cmあく計算ですが実際は密着するようなのです。
ということは、大曲線半径が1cm小さくY字は98mm幅になる計算に。https://t.co/i6WBV2KPtD
そして、頂いた寸法を元に作図した結果がこちらですが、
後にここで求めた寸法も改訂しています。
教えて頂いた実測結果を作図。
— あい(プラレータ) (@ai_prarator) 2018年11月22日
今回の実測寸法に基づけば、大曲線は外側曲線に重なるような寸法になる計算(1枚目)
これで求めた大曲線を、外側曲線に沿わせて置いてみると、
端面部分が計算上は3.4mm程度短いような見栄えになることに。
写真でも微妙に短いのかなぁ~というモヤッとはコレか。 pic.twitter.com/oQCV1xObh2
最終的にはこの寸法が「大曲線レール」の理論上の設計寸法であるとしました。
そもそも歪みやすい「Y字ポイントレール(廃版品)」
この「Y字ポイントレール(廃版品)」はプラレールには珍しいレールで、
通常、プラレールのレールはレールの突起やポイントなどが、
裏表通しの構造で作られています。
その為、裏返せば鏡写しのように部材の位置が逆になります。
ですが「Y字ポイントレール(廃版品)」は、
裏返しても、全く同じ向きになるように作られています。
その為、表裏でプラスチックの厚みが場所によって変わり、
全体のバランスがずれた状態で成形されているようなのです。
その事が原因かは分かりませんが、
私が「Y型ポイントレール(廃版品)」を入手したとき、平らな面に置くとレールが浮き、
ねじれた状態になっていました。
ただ、この成形には意味があって、
島型の駅をこのレールで作ると、ホームの入れ替えが自動で起こるように溝が入っていて、
表裏どちらを使っても、常に進行方向の左に入線するように設計されています。
この歪みも、材質がプラスチックなので、
力で曲げて癖を戻せば多少は歪みは直せます。
ですが、製造から長期間が過ぎていて、
今世の中にある「Y型ポイントレール(廃版品)」の寸法をいくら測っても、
当時、成形目標としていた設計寸法は得られないだろうということは容易に想像できました。
ゆがみ、縮み、いろいろレールには起きていて不思議ではありません。
面白いのがさらに「なゆほさん」のこの投稿でした。
現状の寸法をいくら測っても、全く意味がないことが分かっていただけるかと。。。
ご要望を受けプラレールのレール間隔を測定していたら同一商品の前後期型が繋がらなくなったときのぼく「は?オイ」 pic.twitter.com/ejBq31wkXR
— なゆほ (@Nayuho6866) 2018年11月22日
そういう意味ではこの後の流れに近いのですが、
なゆほさんも同じように情景部品(旧いなかの駅)から
「Y型ポイントレール(廃版品)」の幅を推定するヒントをくださっていました。
ちなみになんですが「田舎の駅」の設計は見ての通りとなっております(余談) pic.twitter.com/Ucich81vjV
— なゆほ (@Nayuho6866) 2018年11月22日
「Y型ポイントレール(廃版品)」設計寸法の割り出し
「Y型ポイントレール(廃版品)」の設計寸法を推定するつもりなど、
当初はまったくなく、こういう幅で分岐するY型ポイントが過去にあったんだなぁ程度でした。
大曲線レールもしかりです。
しかし2019年現行品である「車両基地」レールを手にして、
3Dモデリングをしていた時に、ふとこのやり取りの記憶が蘇ってきました。
この私のY型ポイント92mm、なゆほさんの94mmと、
どっちにせよ、プラレールのパーツの中で、9xmmという寸法で、
設計されているレールはないのです。(知る限り)
ですが、現行品で1つその寸法を持つレールが存在しました。
それが「車両基地」レールです。
Y型ポイント・大曲線から「車両基地」へと伝播
元々Y型ポイントの幅を深い追いするつもりはありませんでしたが、
偶然にも「車両基地」レールのモデリングをしていた時に、
レールを測ったときの寸法95mmが妙に気になったのです。
どこかで見た寸法だなぁと。
そこから、以下の記事へと繋がります。
大曲線レールとY型ポイント、車両基地と車庫。
全部が1つにつながることで、このY字ポイントの設計寸法(想定)は、
95mmなのだということで、納得しました(少なくとも私は)