「大曲線レール」は2019年現在は販売されていない廃盤品で、
通常の曲線レール、複線外側レールよりもさらに半径の大きな、
緩やかなカーブを描く、曲線レールでプラレールの話題にはちらほら上がります。
この他の曲線レールと曲率が異なる「大曲線レール」の用途は、
あまりはっきりした情報もなく、いろいろ推測される程度です。
ここでは「大曲線レール(廃版品)」の実測値を参考に割り出した想定寸法をご紹介します。
最終的に弊サイトでは、大曲線半径を実測平均+0.5「309mm」を採用しています。
「大曲線レール(廃版品)」の寸法例
私が持っている「大曲線レール」は現在12本あります。
すべて測定可能ではあるのですが曲線ですので、
きれいなレールを8本選び、円を作って直径を測定する方法を選びました。
円を8分割した4角度(対辺)の直径を測った結果です。
レールの接続部にスケールの頭を置き(外)、レールの内側までを測っています。
\ | 直径 | 半径 |
B | 616.6 | 308.30 |
A | 618.0 | 309.00 |
C | 619.0 | 309.50 |
D | 620.0 | 310.00 |
平均 | 618.4 | 309.2 |
概ね半径にすれば、309mm前後といった結果でした。
大曲線レールは、現在ではその用途が様々推測されているものの、
今のところ明確な用途とされる確証は得られていません。
その中で「Yの字ポイント」と接続した90度カーブを生成するという目的が、
比較的有力なのではないかと教えていただく機会がありました。
@ai_prarator 大曲線レールですが、規格上はY字レールに曲線を繋げた状態で再び単線に戻す時に使うレールだったようです。他の用途は不明です。 pic.twitter.com/Rhz1klvgvN
— なゆほ (@Nayuho6866) 2018年11月22日
これによって、大曲線レール(309mm半径)とY字ポイント(絶版)で、
90度カーブを作った場合、Y字ポイントの開き幅の理想は「95mm」となる計算です。
※弊サイトは直線レール1本の長さを214mmとしていますが、
※タカラトミー公式には、216mmです。
半径309 - 214 = 95mm(半径 309 - 216 = 93mm)
以下で実測した結果として、私が持っているレールは92mm程度でしたが、
このレールレイアウトが目的に作られたのが「大曲線レール」だとするならば、
タカラトミー的には、93mmが想定寸法と言うことが言えます。
ただ「Y字ポイントレール(廃版品)」と同時期にあったレールだとすると、
現在の「大曲線レール」の半径309mmが正しい保証は全くありません。
現に「Y字ポイントレール(廃版品)」は、
物によって大きく寸法がずれてしまっています。
手元の大曲線レールを縦に積んで、ズレがないか確かめようと思いましたが、
反りがあってうまく重ねることができませんでした(ジェンガのよう)
外周を下にして揃えて、変なレールがないかを眺めてみましたが、
さほどの狂いはなさそうでした。
1本1本はやはりバタついている印象はあります。
参考まで、プラレールのつなぎ目を固定したところに、
大曲線レールをつなぎ、スキャンした画像を12枚重ねてみました。
1本だけ、他とずれたレールがありましたが、
円として繋げばおそらくは大きな誤差にはならないものと思います。
通常であれば、ここでまぁ93mm程度なのかな?と終わらせるところでしたが、
別件でこの「9x mm」という寸法が気になる機会があり、
かなり確度が高そうな推定をするに至りました。
「大曲線レール(廃版品)」の設計寸法の割り出し(推定)
大曲線レールだけであれば、309mmで了解!となるのですが、
実はこのレールが別のレールと絡んでくる寸法になっていることが分かりました。
Y字ポイント・大曲線から「車両基地」へと伝播
元々Y字ポイントの幅を深い追いするつもりはありませんでしたが、
偶然にも「車両基地」レールのモデリングをしていた時に、
レールを測ったときの寸法95mmが妙に気になったのです。
どこかで見た寸法だなぁと。
そこから、以下の記事へと繋がります。
結果的に、大曲線レールの設計寸法は、
216 + 95(固定) = 311mm
弊サイトのCADデータでは、214 + 95(固定) = 309 mm
と決定するに至りました。